夏の歌を秋に聴くと寂しい
今週のお題「秋の歌」
風の匂いが変わってくると、新しい季節なんだと実感する。
正直、今年は秋らしい気候の日は少ないと思うけど、それでも11月はまだ秋の範疇だ(そうだよね?)。
通勤や外出で駅に向かう時、電車に乗る時、何かしら耳元で音が流れていないとつまらない。でも、最近ハマったはずの曲には飽きてきた。
じゃあ、昔好きだった曲を掘り返そう、ってことで昔作ったプレイリストを流してみたりする。
Max GeorgeのBarcelonaもそんな曲の一つ。
君とバルセロナのビーチで出会ったんだ、という歌詞から始まるこの曲は、「君」に向かって帰らないでと引き止める歌だ。
もともと、この曲は真冬に聴いていた。いい曲ないかなってアマゾンプライムを漁っていた時、プレイリストの中の一曲に出てきたバルセロナ。踊れそうな軽快な音とちょっと悲しい恋の歌詞に一瞬でときめいたけれど、待ってよ。今冬だし、と最初は戸惑った。
いつもムードを気にしているわけではなく、気に入った曲は季節を問わず聴くからいいんだけど、それでもこのミスマッチ具合に、最初は壁を感じ、慣れなかった(バルセロナには行ったことがないけど、私の中でスペインはやっぱり夏の暑さが似合うイメージがあったのも理由の一つ)。
でも、意外と怯えることはなかったのだ、ということが段々明らかになってくる。
冬の寒空の、つんとした空気の鋭さと、この曲のビートが似合うのだ。変にけばけばしいアップテンポの曲なのではなく、さっぱりしていて気分がいい音の組み合わせ。きっとこの恋は上手くいかないのかな、と想像させるような歌詞も相まって、私にとっては寒さにも耐えうる曲になってきた。
この曲を聴き始めた時の思い出や生活ルーティンは、今とは全く違うものだったけれど、今年も安定して、また寒さが忍び寄ってくる秋の午後なんかには聴き始めるようになりました。
と、誰かに伝えてみたい。
なんとなく心に悲しいものを抱えている時、横になって楽になりたい時、この曲のミスマッチさが私を救う。